日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成21年度日本調理科学会大会
セッションID: 2P-10
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ポスタ-セッション
調理実習における「切り方」の教育効果
*堀 光代平島 円磯部 由香長野 宏子
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抄録

【目的】演者らは調理用語に関する知識と調理技術についての調査を継続して行っている。今回は、調理技術である「切り方」の習得状況について栄養士養成校の学生における入学時と卒業時を比較し、教育効果について検討した。
【方法】栄養士養成校の学生65名を対象とし、2007年4月の入学時および2009年1月の卒業直前(以下卒業時とする)に切り方23項目に関するアンケート調査を実施した。
【結果】いずれの切り方においても卒業時には入学時より「できる」と回答した割合が増加していた。この傾向は、実習で扱ったか否かに関わらず見られた。また、調査結果から23項目の切り方についてクラスター分析を行い、「できる」と回答した学生が多いグループ(グループA)、いずれの選択枝も同程度の回答数であったグループ(グループB)、「知らない」が多いグループ(グループC)の3種類に分類した。これらのグループ別に入学時と卒業時で比較したところ、入学時から「できる」割合が高いグループAでは、卒業時には100%の学生が「できる」と回答していた。グループBでは、「知らない」と回答する割合が減少し、「できる」と回答した割合が増加していた。入学時と卒業時を比べると隠し包丁、さいの目切り(ともにp <0.01)、飾り切り、くし型切り(ともにp <0.05)で有意にできるようになっていた。 グループCでは、卒業時においても「できる」と答えた割合は低いものが多かったが、蛇腹切りや観音開きは「知っているができない」と回答した割合が増加した(ともにp <0.01)。
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© 2009日本調理科学会
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