抄録
症例:36 歳、女性、元来健康であった。平成 14 年 3 月 17 日、自然分娩で女児出産。同年 4 月 19 日より乾性咳嗽出現し、4 月 23 日、近医受診し鎮咳薬の処方を受けた。症状軽快しないため 5 月 1 日同医再受診し、胸部 X 線上、左肺の異常陰影を指摘され某病院に入院した。同年 5 月 14 日、精査加療のため当科に転院した。胸部 X 線上、左下葉に広汎な浸潤影を認めた。当初、肺炎として抗生剤投与を行ったが陰影は改善しなかった。5 月 16 日、気管支鏡下肺生検を行い病理組織学的にクリプトコックス症が疑われた。後日、血清クリプトコックス抗原も陽性と判明し肺クリプトコックッス症と診断した。治療はジフルカン内服を行い病状は改善し、胸部X線上、陰影も減少した。
まとめ:健常成人に発症する原発性肺クリプトコックス症の胸部 X 線所見は結節影が基本であるが、稀に浸潤影が見られることもある。本例において浸潤影が出現した理由は不明であったが、文献的考察を加えて報告する。