日本医真菌学会総会プログラム・抄録集
Print ISSN : 0916-4804
第49回 日本医真菌学会総会
セッションID: SI-3
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難治性の深在性真菌症に対する最近のアプローチ—糸状菌感染を中心に
抗真菌薬の進歩
*時松 一成
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抄録
アスペルギルス症を代表とする糸状菌感染症は,アムホテリシン B が第一選択薬として長い間使用されていた。しかし,アムホテリシン B は,発熱や嘔吐,腎毒性などの副作用が高率に発生するため,臨床的に投与量や投与期間が不十分な症例も多く,糸状菌感染症は難治性感染症とされた一つの要因であった。また,経口薬による外来治療ではイトラコナゾールカプセル薬が用いられているが,患者によっては安定した吸収が得られない場合があることが指摘されていた。2002 年末に発売されたミカファンギンは,アスペルギルス属に対しても有効性の高い注射用抗真菌薬である。真菌細胞壁の合成を特異的に阻害するという新たな作用機序を有し,ヒトに対する毒性も低いため,わが国の現状では,アスペルギルス症に対するミカファンギンの使用頻度は、アムホテリシン B とほぼ同程度か越えるであろうと推測される。今年の中旬に発売されたボリコナゾールは,アスペルギルス属に対して殺菌的な作用を有すること,注射剤から経口剤の切り替えが可能であることより,アスペルギルス症に対する重要な治療法の選択肢一つになると考えられている。更に,リポソーム・アムホテリシン B,イトラコナゾールの注射剤およびシロップ剤が,今後,わが国においても使用が可能になると予想されている。これらの抗真菌薬は,従来の抗真菌薬を製剤的に工夫し,毒性の軽減,吸収の安定性を改善したものであり,すでに,海外においては集積されたエビデンスとしての報告がある。 このように,今後,ますますアスペルギルス症に対する治療薬剤の選択肢は増加し,その治療方法も大きく変化すると予想される一方,薬剤選択の多様性から生じる臨床現場の混乱を避けるため,新たな標準的治療法の確立が望まれる。 本シンポジウムでは,主に血液領域と呼吸器内科領域にみられるアスペルギルス症について,新規抗真菌薬の特性,我々の実験や経験例,国内外のエビデンスなどから,新規抗真菌薬の予防投与と経験的・標的治療における位置づけを明らかにする。更に,今後期待される抗真菌薬の併用療法の展望についても述べる。
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© 2005 日本医真菌学会
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