抄録
P. verrucosa (Pv) (34株) 及び P. americana (Pa) (7株) の SSU rDNA に挿入された intron について,その挿入位置,2 次構造解析及びそれに基づく intron の分類について検討した。両菌種の SSU rDNA は約 1.8 kb から 3.1 kb の異なるサイズに増幅された。15 株 (1.8 kb: Pv 10 株,Pa 5 株)には intron の挿入は認められなかったが,26 株では総じて 4 ケ所の特定挿入位置(516, 943, 1199, 1518)が見い出された。また 26 株はイントロンの挿入位置および挿入数の違いにより5グループに大別されたが,各グループと分離源,分離地域などとの相関性は見い出されなかった。516 および 1199 位の intron は subgroup IE, 943 位は subgroup IC1 であることが明らかとなり,また 943 位の IC1 にはさらに endonuclease の ORF に類似する配列が 2 株で認められた。943 位の IC1 (13 株)および 1199 位の IE (15 株)の塩基配列は株間で高い保存性を示した。両位の IC1,IE についてそれぞれ他の真菌類を含め系統解析を行ったところ,Pv, Pa の subgroup は独立したクラスターを形成し,これら菌種に特有であることが示され,intron の由来,移動の考察に興味ある結果となった。