日本医真菌学会総会プログラム・抄録集
Print ISSN : 0916-4804
第50回 日本医真菌学会総会
セッションID: P33(SII-2)
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ポスター(括弧内番号はセレクテッド・シンポジウム発表を示す)
東海地方における Trichophyton tonsurans 感染症
*藤広 満智子
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キーワード: 皮膚表在性白癬
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抄録

演者は流行が確認された2002年より、東海地方の皮膚科医に協力を呼びかけ、疑わしい患者の病巣の鱗屑や毛を貼り付けたセロテープを郵送してもらい、患者の早期発見に努めてきた。その結果58例の検体が集まり、うち41例から T.tonsurans が分離された。そのうちわけは、男性36例、女性5例、高校生30例、中学生以下6例、大学生以上5例であった。競技別ではレスリング21例、柔道19例、柔道部員の母親1例と、レスリングが多いのが東海地方の特徴と思われた。またそのプロトコールにより、1)部内に患者がなく対外試合で感染したケースでは1週間後に発症する。2)再発の多いケースは高校3年間に4回発症を繰り返した。3)頭部白癬は丸刈りにして初めて気づく。4)体部から採取したセロテープに毛内に寄生した胞子を認めた。5)1ヶ月テルビナフィンを内服した後でも培養は陽性になる。6)柔道場の畳に長時間正座した後の下腿の病巣から分離されたのは T.rubrum であった。7)セロテープに貼り付けた毛は1年7か月後に培養できる。という情報を得ることができた。

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© 2006 日本医真菌学会
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