日本医真菌学会総会プログラム・抄録集
Print ISSN : 0916-4804
第50回 日本医真菌学会総会
セッションID: P38
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ポスター(括弧内番号はセレクテッド・シンポジウム発表を示す)
Aspergillus sydowiiによる爪アスペルギルス症の1例
*高畑 ゆみ子比留間 政太郎杉田 隆武藤 正彦
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抄録
33歳、女、看護師。既往歴に、足白癬を思わせる症状はない。約10年前より右第1趾爪の変色、変形をみとめる。現症は、右第1趾爪甲の内側1/3が、縦に黄白色の線状を多数認め融合する。初診時、直接鏡検にて真菌要素陽性、培養にて、アスペルギルス属の菌が得られたが、正確な同定がなされず、汚染菌と判断した。イトリゾールパルス療法を施行したが、15カ月目、難治であったため、病的爪甲を全て掻爬し、得られた病爪について、直接鏡検、真菌培養および分子生物学的検討を行った。直接鏡検では、2分岐性に増殖する不規則に太い菌糸を認め、アスペルギルス属菌が分離された。rDNAの塩基配列解析では分離菌株の配列と爪由来の配列は、両者とも一致した。分離菌は、形態学的にAspergillus sydowiiと推定され、分子生物学的に確認された。本菌による爪真菌症は、文献上17例を数えるが、臨床像や経過の記載があるものは4例のみであった。それらの臨床的な特徴をまとめて報告する。
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© 2006 日本医真菌学会
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