日本医真菌学会総会プログラム・抄録集
Print ISSN : 0916-4804
第52回 日本医真菌学会総会・学術集会
セッションID: P-093
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気管支肺胞洗浄液中のアスペルギルスガラクトマンナン抗原価の臨床的有用性に関する検討
*三原 智泉川 公一高園 貴弘小佐井 康介西條 知見中村 茂樹栗原 慎太郎山本 和子今村 圭文関 雅文掛屋 弘山本 善裕柳原 克紀田代 隆良河野 茂
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抄録
【背景】慢性肺アスペルギルス症(CPA)の診断には臨床症状、画像所見、培養検査のほか、血清アスペルギルスガラクトマンナン抗原検査などを用い総合的に行うが、血清抗原検査は偽陽性例が多く課題となっている。今回、気管支洗浄液または気管支肺胞洗浄液(BALF)中のアスペルギルスガラクトマンナン抗原検査の臨床的有用性について検討した。【対象】H18年12月~H19年12月までに血清抗原価とBALF抗原価を測定した41症例(CPA 6例)。【結果】CPA症例では、血清抗原価の平均値は1.759、BALF中の抗原価均値は7.79であった。非CPA症例(35例)では、血清抗原価の平均値は、0.997で1.5以上が5例、BALF中の抗原価の平均値は1.037で1.5以上が4例であった。血清抗原価のcut off値を0.5(1.5)と設定した場合、感度100%(50%)、特異度37.1%(85.7%)であった。それに対しBALF抗原価のcut off値を0.5(1.5)と設定した場合では、感度66.6%(66.6%)、特異度71.4%(88.5%)となり、BALF抗原測定の有用性が示唆された。また、BALF抗原価高値の症例については、臨床背景も併せて報告する。
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© 2008 日本医真菌学会
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