2016 年 11 巻 p. 37-45
本研究は整形外科外来または整形外科病棟を有する医療施設15施設において,運動器疾患患者を看護す る看護師294名を対象に,疼痛評価の実施状況や疼痛評価方法,疼痛看護の実際とその困難感や満足感, さらに看護師の実践の質との関係性について明らかにすることを目的として,自記式質問紙調査を行ったそ の結果,疼痛評価の実施頻度は1日に1~3回行い,疼痛評価ツールはフェイススケールを多く用いていた高 齢者の疼痛評価については9割以上の看護師が困難感を抱き, 8割以上の看護師が疼痛評価に自信がなく, 疼痛看護の満足感は5割以上の看護師が満足していなかったが,自信や満足感と看護実践の質において有意 な正の相関がみられたまた,痛みの研修会の受講経験は2割程度であった以上から,高齢者の特徴を踏 まえた,運動器疾患患者の疼痛看護に関する専門的な知識や技術を習得できる研修の機会が必要であるこ とが示唆された