日本運動器看護学会誌
Online ISSN : 2435-001X
Print ISSN : 2186-635X
原著
運動器看護の可視化と共有化を目指した実践ガイドの作成――看護師の語りから捉えた大腿骨近位部骨折患者の術後排泄ケアのアセスメントの視点――
西原 さやか飯島 由理子佐藤 政枝齋藤 貴子佐野 かおり柳本 優子笹森 正子
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2025 年 20 巻 p. 67-74

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抄録

本研究では,「大腿骨近位部骨折患者の術後排泄ケア」に関するインタビュー結果をもとに,運動器看護のアセスメントの視点を可視化して共有するための実践ガイド(素案)の作成を試みた.コード化・カテゴリ化されたデータから,看護師のアセスメントの視点に該当する内容を抽出し,共通性や類似性に沿って分類・整理し,さらに実践ガイドの枠組みとして図示した.44の排泄ケアのアセスメントの視点は,全身状態,疼痛,意欲,筋力・身体の動き,認知力・理解力の5項目に整理された.疼痛と意欲が,患者が“動く”ことを支えるアセスメントの重要な鍵となっていた.また,トイレでの安全な動作の獲得に向けて,動作の全体像を筋力・身体の動きと認知力・理解力の両側からアセスメントしていた.実践ガイド(素案)には,普段の実践では言語化されにくい看護師の説話的推論が含まれ,看護の実践知を反映した意義ある教材となり得ることが示唆された.

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© 2025 日本運動器看護学会
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