日本運動器看護学会誌
Online ISSN : 2435-001X
Print ISSN : 2186-635X
研究報告
人工膝関節全置換術を受けた患者のQOLの改善状況に関連する要因
和田 悠矢
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2025 年 20 巻 p. 83-92

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抄録

【目的】人工膝関節全置換術を受けて退院した患者を対象に,手術後のQOLの改善状況に関連する要因を明らかにすることである.【方法】人工膝関節全置換術を受けて退院し,本研究に承諾が得られた60名を対象者として質問紙調査を行い,手術前と術後1ヵ月から18ヵ月の間に調査した時点でのQOLの差を改善状況とし,対象者の特性との関連を検討した.【結果】対象者は平均74.3歳であり,女性が88.3%を占めた.心理的健康が高い者ほどQOLの改善状況が有意に高かった.また,骨粗鬆症を有する者は有意にQOLの改善状況が低かった.さらに,緑黄色野菜をほとんど毎日摂取していると回答した者はQOLの改善状況が高かった.【考察】人工膝関節全置換術を受けた患者のQOLの改善状況と心理的健康が良好な者ほどQOLの改善状況が高くなる可能性が示唆された.また,骨粗鬆症がQOLの改善状況と関連していたことは新しい知見である.さらに,食事に関する嗜好がQOLと関連する可能性が示唆された.

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© 2025 日本運動器看護学会
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