日本運動器看護学会誌
Online ISSN : 2435-001X
Print ISSN : 2186-635X
周手術期を通してとらえた人工股関節全置換術を受ける 患者の病気および手術と生活体験の分析
大山 祐介浦田 秀子楠葉 洋子
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2010 年 5 巻 p. 40-47

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抄録

変形性股関節症で初めて人工股関節全置換術を受ける女性患者5人を対象とし,手術前,手術後,退院後の計 3回半構成的面接を行い,周手術期における病気や手術,それに伴う生活体験について分析した.対象者の平均 年齢は74.2歳であった.手術前は〈疼痛・身体可動性障害と生活の共存)〈病状の受け入れと不安定な心理〉〈身 近な治療による症状制御》《家族の支え・協力》《最終手段としての手術》の5つのカテゴリーが抽出された.手 術後は(手術が成功したことを実感》〈手術後の苦痛を乗り越える〉〈ADL拡大への取り組み〉〈手術前の生活を 回顧〉(不自由さを抱えた日常生活〉〈家族の支えが拠りどころ〉〈人工物が挿入された身体〉の7つであった.退 院後は《自己管理のための方略》《回復の実感》《生活上のネガティブな体験》《同病者との病状比較に基づく現状 認識〉〈家族から支援を受ける生活〉の5つであった.周手術期を通して,共通して抽出されたのは家族からの支 援に関するカテゴリーであった.

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© 2010 日本運動器看護学会
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