2015 年 21 巻 2 号 p. 87-100
音楽と画像の調和感に関する文脈効果を明らかにするために,「陽気な」あるいは「陰気な」印象の音楽と画像を用いて調和感の評定実験を行った。連続した2場面よりなる視聴覚刺激において,両場面とも音楽と画像の印象が類似し,両方の印象とも一貫している場合には,後半に呈示した場面の調和感が高まった。2場面とも,音楽と画像の印象が反対の刺激においては,後半に呈示された場面の不調和感が和らいだ。音楽と画像の印象が一貫している場合には,不調和感の緩和効果がより顕著だった。音楽と画像の印象が類似している場面と反対である場面の組み合わせでは,後半に呈示された類似している場面の調和感,反対である場面の不調和感が抑制された。