本研究では,演奏の芸術性評価に影響を与える要因を検討するため,音階型・アルペジオ型旋律を刺激とする3つの実験を行った。各実験の参加者は,テンポが操作された旋律を聴き,その芸術性について単極10件法で印象評定を行った。その結果,全体的テンポや,テンポのゆらぎが生じる位置または範囲によって芸術性評価に有意差が見られ,テンポ操作に対する相対的評価が一般聴取者にも可能であることが明らかになった。また,テンポのゆらぎに対する聴取者の芸術性評価に影響を与える要因が,音階とアルペジオによって体系的に検証できる可能性も示唆された。