2025 年 31 巻 1 号 p. 13-24
概要:本稿は音楽アクセシビリティ技術と,障害の有無を問わず誰もが共に楽しめる「共遊楽器」について論じる。音楽体験にまつわるアクセシビリティは障害の捉え方の転換によりインクルーシブデザインが重視されている。近年,テクノロジーを活用した音楽の可触化・可視化システム,直感的な演奏を可能にするインターフェースが開発され,世界各国でプロジェクトが展開されている。筆者は感覚代行とエヴェリン・グレニーやヘレン・ケラーを代表とした触覚による音楽体験をヒントに「共遊楽器」を開発した。これらの取り組みは,身体特性や感覚特性によらずすべての人にとって新しい音楽体験を創造する可能性を提示している。