多文化関係学
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論文
日本人グローバルリーダーシップの特徴に関する質的研究
中核コンピテンス、発達促進要因ならびに日本人らしさの活用
平井 達也鈴木 勘一郎
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2016 年 13 巻 p. 33-46

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抄録
本研究では、グローバルリーダーシップに関する国内外の先行研究を踏まえた上で、様々な分野で国際的に活躍する30−40歳代の日本人8名に対してインタビュー調査を行った。インタビュー対象者は、ビジネス、公的機関、教育機関の3領域からノミネーションによって選出され、インタビュー内容は、グローバルリーダーの特徴や能力、および彼ら自身のリーダーとしての変化や成長のプロセスなどであった。得られたインタビューデータについて、グラウンデッドセオリーに基づいた質的分析を行ったところ、グローバルリーダーシップの中核的特徴として、自己解決力、関係創造力、グローバル変革力の3 つが抽出された。さらに、グローバルリーダーシップの発達を促進する重要な要因として、開放的柔軟性と学習的レジリエンスの2 つが明らかになった。また、日本人としてグローバルリーダーシップを発揮する上で、日本人としての強みの意識的な活用が基軸となることも示唆された。
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© 2016 多文化関係学会
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