抄録
日本とフィリピンの間で締結された経済連携協定(以下、EPA)によって、近い将来、日本は初めて公式に外国人看護師を受け入れることになる。そして日本が初めて経験する医療現場での多文化協働を有益なものとするために、ホスト社会としてどのようなサポート体制を整備する必要があるかを調査し検証することは重要である。本稿の目的は、日本が外国人看護師を受け入れるに際して、どのような受け入れ体制を整備する必要があるかを探求することである。本稿ではベトナム人看護師養成支援事業(以下、VNP)によって日本の医療現場で働いているベトナム人看護師(以下、VN)および彼らと共に働いた経験のある日本人看護師(以下、JN)への半構造化面接と、VNを受け入れている病院での参与観察の結果をグラウンデッド・セオリー・アプローチ(以下、GTA)の枠組みで分析し提示する。