材料
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内装仕上げ材料の模型火災実験
川越 邦雄斉藤 文春
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1965 年 14 巻 143 号 p. 605-611

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抄録

有機質建築材料の防火性向上のために, 各種薬剤処理を施こして防火性を向上させることが種々試みられているが, その目的は, 実火災に際しどのような効果が得られるかということにある.
そこで, 建物の実火災を対象とし, 部屋の構造を単純化した模型を作り, これにより材料の火災初期の燃焼性状を求めた. その結果,
(1) フラッシュオーバーに至るまでの時間は有機質材料と無機質主体の材料では顕著な差を認めた. また合板に薬剤処理を施したものは, 薬剤効果によるフラッシュオーバー遅延現象を認めた.
(2) 模型室の開口率の大小によりフラッシュオーバー現象は左右され, 1/3~1/4付近にて最も早くなる.
(3) 開口部よりの放出輻射量は板の厚みによる.
(4) 燃焼時に発生する煙の濃度は, 材質により異なるが, プラスチック系の材料と木質材料の間には大きな差がある.

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