CCAはクロム・銅・ヒ素化合物系木材防腐剤(JIS K 1554)の略で, 1933年にインド国立林産研究所で発明され, その実用は主として米国のベルテレフォン社で行なわれ, 戦後, 同社のCCA注入電柱線路調査の結果, 過去16年間に腐朽, 虫害, 鳥害等のために撤去された電柱が1本もないことが明らかになったため, 英国において急速にCCAの需要が増大し, わが国においても昭和38年にJISが制定され, 引き続き木材防腐特別措置法の指定防腐剤に指定されるに至った.
CCAの特徴は, 水溶性防腐剤であるにもかかわらず, 木材中に注入されるときわめて良好な固着性を示すこと防腐防虫性能がきわめて良好なこと, 温血動物および農作物に無害であることなどで, CCA注入木材の機械的強度は素材のそれと変わらず, 吸湿性, 鉄腐食性もきわめて小さい.
わが国において現在実用に供されているものはのCCA 1号であるから, 各種公文書に基づいてその性質を説明することにする.
抄録全体を表示