材料
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プラスチック材料のブリネルおよびロックウェルかたさ試験に関する実態調査結果について
植村 幸生山城 貞男小林 政治郎
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1966 年 15 巻 149 号 p. 75-80

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抄録
最近プラスチック材料の利用が広まるにつれ, そのかたさ試験も行なわれるようになった. その現状と問題点を明らかにするため, ブリネルおよびロックウェルかたさ試験に関する実態調査を行なった. その結果次のようなことが明らかになった.
ブリネルかたさ試験: その使用試験機には古いものが多い. その実測値の現状は社会的に通用しうる状態ではない. その相互差の最大の原因はくぼみ径の読み取り誤差にある. その統一のためには, 試験機のJISに従っての整備とくぼみ径の妥当な測定方法の確立とが必要である.
ロックウェルかたさ試験: その使用試験機には新しいものが圧倒的に多い. その実測値はまだ満足できる状態にはないが, 機差と測定時の温度差とを補正すればある程度一致した値が得られる. その統一のためには, プラスチック材料を対象とした試験機および試験方法に関するJISを確立する必要がある. また鋼球圧子のホルダにはかなりの不良品があり, それから生ずるかたさ値の誤差は相当大きいので充分注意する必要がある.
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