脳神経外科ジャーナル
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症例報告
視神経交叉部に生じた海綿状血管腫の1例
角田 聖英浅野 研一郎片山 耕輔黒瀬 顕大熊 洋揮
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キーワード: optic chiasm, cavernous angioma
ジャーナル オープンアクセス

2021 年 30 巻 6 号 p. 462-468

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抄録

 海綿状血管腫は良性の血管腫の一種であり, その多くはテント上の脳実質内より発生する. われわれは視神経交叉部に生じた海綿状血管腫を経験したため, 文献的考察を踏まえて報告する.

 症例は52歳男性. 両耳側半盲ならびに頭痛を自覚. MRIにて視神経交叉部前方に病変を指摘. 右前頭側頭開頭にて摘出手術を施行. 暗赤色を呈し, 切開にて血腫が流出した. 術後MRIにて全摘出を確認し, 両耳側半盲は改善.

 現在に至るまでの報告から, 視神経発生の海綿状血管腫は可及的摘出が診断・治療の面から重要であると考える.

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© 2021 日本脳神経外科コングレス

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