材料
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炭酸ガス法によって生成する水酸化アルミニウムの性状
橋詰 源蔵新井 祥文
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1967 年 16 巻 164 号 p. 298-303

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抄録

炭酸ガス法水酸化アルミニウムの性質をBET法による表面積, ヨウ素吸着量, 塩基容量などにより検討した. 沈殿物は一般に無定形である. 温水熱成により容易にベーマイトゲルになる.
このベーマイトゲルは粒子の小さい表面積の大きい高活性な物質である. たとえば熟成温度80℃で30分程度熟成することにより表面積は約3倍増加する.
生成する水酸化アルミニウムの性質に反応温度, アルミン酸ナトリウム液濃度の影響は大きい. 高濃度のアルミン酸ナトリウム液からの生成物は強塩基性で, 低濃度の液からの生成物は弱塩基性の水酸化アルミニウムである.
微粒子の分散性のよい高活性な水酸化アルミニウムの生成条件は, 低濃度のアルミン酸ナトリウム液 (たとえば, 0.1~0.2mol/l), 反応温度20~40℃で生成沈殿物を作り, 熟成処理 (80~90℃で100分間) した試料が最適である.

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