日本看護技術学会誌
Online ISSN : 2423-8511
Print ISSN : 1349-5429
ISSN-L : 1349-5429
研究報告
乳児の皮膚トラブルに対する皮膚洗浄法の有用性
─ある助産師の皮膚洗浄技術の効果から─
古田 祐子安河内 静子
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 11 巻 3 号 p. 35-45

詳細
抄録
 乳児の皮膚トラブルに対するM助産師の皮膚洗浄法の有用性を検証することを目的に,当該皮膚洗浄開始から症状消失までに要する日数および表皮pH ・ 水分 ・ 油分の変化を明らかにした.
皮膚トラブルを有する乳児10人を被験者として調査した結果,紅斑,丘疹,鱗屑,びらん,乾燥の皮膚症状は当該皮膚洗浄後3日から7日 (平均5.4日) で消失した.また,皮膚洗浄当日,表皮pHが5.7以上の乳児が7人おり,水分量が30%未満のものが3人いた.しかし,洗浄7日では,9人の乳児が表皮pH5.6以下の弱酸性となり,水分量は10人全員が30%以上となった.
 これらの結果から,当該洗浄法は乳児の皮膚トラブルを早期に改善し,表皮酸性度を好適状態にする方法として有用であることが示唆された.
著者関連情報
© 2013 日本看護技術学会
前の記事 次の記事
feedback
Top