日本看護技術学会誌
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研究報告
就職直後の新人看護師における体位変換の実践の様相
山口 みのり
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2013 年 11 巻 3 号 p. 56-64

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抄録
 本研究の目的は,就職直後の新人看護師が看護技術を実践する様相を明らかにすることである.なかでも,状況依存性の高い体位変換の実践場面に着目する.研究方法は,参加観察法と半構造化面接法による質的記述的研究である.就職直後である4月に焦点を当て,新人看護師がどのように思い,考えながら体位変換を実践するのかを具体的に記述した.研究参加者は2009年もしくは2010年に就職した新人看護師5名であった.就職直後,新人看護師は患者に触れて初めて,患者の身体状況に実感を伴って気づき,思っていた想像と違うことに驚いた.患者にどう援助したらいいか分からないと怖さや不安を感じるが,どうしたらできるようになるかを考えるようになっていった.就職直後,新人看護師の得た身体感覚は,患者の身体状況を把握する手がかりとなっており,技術習得の基盤となっていくと考えられる.
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© 2013 日本看護技術学会
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