日本看護技術学会誌
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研究報告
片足への温熱刺激が生体にもたらす生理学的効果
後藤 慶太金子 健太郎尾形 優熊谷 英樹佐藤 都也子山本 真千子
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2013 年 12 巻 2 号 p. 43-49

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抄録

 本研究では片足への温熱刺激が生体にもたらす生理学的効果を,特に温熱刺激を与えていない対側下肢への効果に注目して,末梢循環および全身循環の動態とその調節に関与する心臓自律神経活動の指標を用いて,明らかにすることを目的とした.若年健常男子15名 (平均年齢22.4±1.1歳) を対象に,片足に蒸しタオルを用いた温罨法 (以下,片足蒸しタオル温罨法) を施行し,心拍数と血圧,HRV (heart rate variability),両足の皮膚温を測定した.片足蒸しタオル温罨法は,安静仰臥位15分後に,4枚の加温 ・ 加湿したフェイスタオルを被覆する方法で実施した.各測定値の観察は片足蒸しタオル温罨法施行前から施行後30分間まで連続して行った.その結果,片足への温熱刺激は,副交感神経活動を賦活化し,交感神経活動を抑制し,全身循環においては心拍数と血圧を減少および下降し,末梢循環においては対側下肢を含め促進することを明らかにした.したがって,片足への温熱刺激はリラクセーション効果および入眠効果をもたらすことが示唆された.

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© 2013 日本看護技術学会
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