抄録
本研究の目的は,脳卒中後遺症としての痛みを伴うしびれ (痛みしびれ) のある患者に対して看護介入としての足浴後マッサージの効果を検討することである.本研究は,無作為化によらない痛みしびれのある脳卒中患者 (痛みしびれあり群 : 20名) と痛みしびれのない脳卒中患者 (痛みしびれなし群 : 20名) との介入結果の2群比較を行う準実験研究デザインで行った.足浴後マッサージは,41.0~42.0℃の湯温に下腿を10分間浸漬したのち,15分間の下腿マッサージを行う方法である.評価指標には,痛みしびれの強さ (VAS),血圧,心拍変動,脳波を用いた.結果,VASは介入後有意に低下した.また,心拍数は両群ともにマッサージ開始後有意に低下した.さらに,痛みしびれあり群は,VASの評価を支持するようにHFが有意に上昇し,β 波も有意に低下した.以上のことから,足浴後マッサージは脳卒中患者にリラクセーション効果をもたらし,さらに脳卒中後遺症としての痛みしびれに対しても症状軽減につながる有効な看護介入であることが示唆された.