日本看護技術学会誌
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原著
女性高齢者が自身で行うフェイスケアがもたらす前頭前野における組織酸素レベルと自律神経反応に関する基礎的研究
須賀 京子渡邉 順子岩瀬 敏西村 直記清水 祐樹岩瀬 千尋
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2015 年 14 巻 2 号 p. 137-145

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抄録

 本研究の目的は,女性高齢者が継続的に実施するフェイスケア (化粧水と乳液を用いるスキンケア, 以下FC) がもたらす生体への影響について, 前頭前野における組織酸素レベルと自律神経反応から明らかにすることである.
 65歳以上の健康な女性高齢者18名 (平均年齢68±4歳) が,3週間のFCを継続して実施し,その初日と最終日に近赤外分光法 (NIRS) による前頭前野の脳組織酸素レベルと皮膚血流量, 心拍変動, 皮膚コンダクタンスを用いた自律神経活動を測定した.初日は安静時と比較してFC時に前頭前野における⊿deoxyHbの上昇が認められたが,血液量に変化はなかった.しかし,最終日には安静時と比較して血液量が低下した.また,初日と最終日でともに安静時と比較してFCでは心拍変動のHFの上昇を認め,副交感神経活動の亢進が示された.健康な女性高齢者自身が行うFCは,前頭前野の活動を抑制し,副交感神経活動を亢進させることが示唆された.

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© 2015 日本看護技術学会
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