2017 年 16 巻 p. 36-40
女子大生18名 (甘酒群11名, 対照群7名) を対象に, 甘酒の摂取が便秘に及ぼす影響を明らかにするために, 2週間150mLの甘酒を摂取してもらった. 実験は倫理委員会承認後に本人の了解を得たうえで開始した.
効果の評価は, 日本語版便秘評価尺度 (以下MT-CAS), 排便頻度, 便秘の辛さを用いて, 便秘尺度の得点, 排便頻度, 排便の辛さの得点をWilcoxsonの符号付き順位検定を用いて, 甘酒群と対照群をそれぞれ比較した. 排便の頻度は, 甘酒摂取群が有意に改善し (P=0.046), MT-CASの合計得点 (P=0.009), 「便の回数」 (P=0.025) で有意に改善していたが, 排便の辛さは両群に有意な差はみられなかった.
以上の結果から, 1日1回の甘酒の摂取により, 便秘が改善される可能性があることが示唆された.