2017 年 16 巻 p. 41-50
目的 : 「気持ちよさ」をもたらす看護ケアならびに対象者に生じる反応 ・ 効果とその測定指標を明らかにする.
方法 : 医学中央雑誌webで「気持ちいい」「気持ちよい」「気持ちがいい」「気持ちがよい」「気持ちよさ」をキーワードに検索した52件の文献を対象に, Cooperの統合的文献レビューを行った.
結果 : 効果の測定時期は, 実施中, 実施直後, 実施後, 翌日以降の4つに分類された. 気分 ・ 心理行動的側面の効果要素として, 基礎研究で【気分のよさ】【症状の緩和】【活力の高まり】が, 臨床研究で【気分のよさ】【症状の緩和】【活力の高まり】【関係性の広がり】【生活行動の拡大】【生活リズムが整う】のカテゴリーが抽出された. 測定指標は, 質的指標では言動や表情と語りが, 量的指標では独自に作成した尺度が主に用いられていた. 生理学的側面は【体温上昇】【自律神経活動の安定】【循環動態の安定】であった.
考察 : ケア後の変化に視点を移したとき「気持ちよさ」をもたらす看護ケアの可能性の広がりと価値に気が付いた. 「気持ちいい」のその後の効果の推移に目を向けることが重要である.