抄録
シーツ上辺の角を三角形に折り込む方法 (以下, 三角法)と, シーツ上辺の両角を結ぶ方法 (以下, 結び法)の比較を通して, エアマットレスに対するずれにくいベッドメイキングを明らかにすることを目的とした. 41名の看護学生に, エアマットレスに対して2つの方法でベッドメイキングを実施してもらい, そのベッド上で患者役に日常生活援助を実施し, シーツに生じたずれを比較した.
エアマットレス全体, 中央, 足側, 右側, 左側, 表面において, 三角法の方が有意にずれにくかった. 結び法の方がずれにくかったのは, 頭側のみであった. 三角法は, シーツ同士の接触面積が広く摩擦力が大きいため, 結び法よりずれにくいと考えられる. 特に, 三角法は褥瘡好発部位である仙骨部や踵骨部が位置する中央・足側がずれにくいため, 褥瘡リスクの軽減にもつながると考えられる.