日本看護技術学会誌
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原著
合図からの歩行開始に着目した歩行測定方法についての研究
香川 将大清川 拓馬木下 博恵根本 清次
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2019 年 18 巻 p. 115-122

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抄録
 本研究の目的は, 合図からの歩行開始に着目した歩行測定方法の基礎的なデータを収集し, その再現性を検証することである. また, 各歩行データと転倒リスク要因の関連性について検討を行う. 測定は, 宮崎大学と三和ニューテック(株)が共同開発した「歩行測定器」を用いて, 高齢者群28名と健常成人群30名を対象に安全に実施された. 高齢者群の歩行データから級内相関係数を算出した結果, 踏み出し接地時間以外の歩行データについては, 1回の試行で良好な再現性を有することが示された. 踏み出し接地時間も3回の試行で概ね再現性は良好であった. 各歩行データは, 高齢者群と健常成人群で有意に差がみられ, 従来の測定方法により計測された歩行速度や歩幅, 反応時間の先行研究と類似した結果を示した. 本測定方法により得られる歩行データによって, 歩行能力の低下や反応時間の遅延といった転倒リスク要因を評価できる可能性が示唆された.
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© 2019 日本看護技術学会
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