日本看護技術学会誌
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総説
患者観察場面における熟練した観察技術をもつ看護師の注視に関するスコーピングレビュー
上條 翔矢中山 栄純小林 幹紘松谷 伸二
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2023 年 22 巻 p. 51-62

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抄録

 熟練した観察技術をもつ看護師が, どのような場面で, どのような注視を行っているか, 注視と注意を関連付けてどのような研究がなされているのかについて実態を明らかにすることを目的として, Arksey & O’Malley (2005) のスコーピングレビューの方法にて文献調査を行った. 文献データベースは, MEDLINE, CINAHL, PsycINFO, EMBASE, Cochrane, 医学中央雑誌, CiNiiを用い, 検索ワードを「看護師」, 「注視」, 「眼球運動」, 「眼球運動測定」等として, 検索を行った. その結果, 国外文献7件, 国内文献14件が抽出された. 熟練した観察技術をもつ看護師は重要な領域をより注視し, 患者の顔面部を重点的に注視する傾向があった. 模擬環境下での研究や静止画像, 動画を用いた研究が多かったが, 用いられている課題設定の妥当性の評価を行ったものは見当たらなかった. また, 観察の構成要素のひとつである注意を考慮した研究は見当たらず, どのように注意を向けるのかについて調査する必要性が示唆された.

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