日本看護技術学会誌
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実践報告
若年者を対象とした熱布温罨法と足浴が足部に及ぼす効果の比較検討―高齢者の転倒予防を目指す支援の予備的研究―
郡 ハルミ田中 美智子
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2025 年 24 巻 p. 1-8

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抄録

 本研究は, 高齢者の転倒予防を目指す簡便な支援の予備的研究と位置づけ, 若年者を対象に熱布温罨法が足浴に劣らない方法であることを明らかにし, 足部に及ぼす効果を比較することを目的とした. 若年健常者26名 (22.1±2.1歳) に足浴 (40±1℃) と熱布温罨法 (60℃の高温槽の湯で絞ったタオルを2枚使用) を10分間実施した. 評価項目は膝窩深部温度 (温熱効果), 足関節背屈角度 (足関節の柔軟性), 足趾把持力 (姿勢保持力) である. 膝窩深部温度の非劣性検定では熱布温罨法が足浴に劣らない温度の上昇が得られることが確認された. どちらの方法も膝窩深部温度, 足関節背屈角度, 足趾把持力が向上し, 効果の比較では左足関節背屈角度で熱布温罨法の方が有意に拡大した. 熱布温罨法が足浴に劣らないだけでなく, 足浴より効果が得られる場合もあり, 高齢者の転倒予防を目指すケアとしても期待される.

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