日本看護技術学会誌
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原著
上肢を異なる2方向で拭いた時の自律神経系反応の比較
安ケ平 伸枝
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2004 年 3 巻 1 号 p. 51-57

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抄録
 本研究は上肢を異なる2方向で拭いた時の自律神経系の反応について明らかにすることを目的とした実験研究である. 対象は研究協力の得られた健康な成人50名であり, 末梢から中枢に拭く群と中枢から末梢に拭く群, 介入を行わない対照群の3群を設定した. 介入は乾布を使用し, 上肢をいずれかの方向で一定の圧力にて3分間 (45回) 拭いた. 自律神経系反応の測定指標は電気伝導水準, 心拍変動スペクトル解析, 表面皮膚温を用い, 安静時 ・ 介入中 ・ 介入終了直後から介入終了後5分, 介入終了後5分から介入終了後10分の値を測定した. 電気伝導水準の結果からどちらの方向で拭いても, 介入中には交感神経系活動を有意に抑制し, 介入終了後5分には交感神経系活動を有意に亢進することが明らかになった. しかし介入終了後10分には刺激による影響は消失した. さらに心拍変動スペクトル解析の群内比較の結果より中枢から末梢へ拭いた群の方が, より交感神経系の活動を抑制する可能性についても示唆された.
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© 2004 日本看護技術学会
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