日本看護技術学会誌
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短報
そう痒感のある患者のキュウリローション使用による止痒効果と保湿作用の検証
坪井 ふみ子畠山 なを子藤井 博英
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2007 年 6 巻 2 号 p. 30-33

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抄録
 先行研究でわれわれは, キュウリローション (キュウリエキス ・ アルコール ・ グリセリン ・ 精製水を成分とするオリジナルに調製したローション) が, 87%のそう痒感患者に止痒効果を認めることを検証した. 痒みの要因は, 角層の保湿機能低下によって起こる皮膚乾燥がある. 乾燥がひどくなるほど痒みが強くなる. そこで今回, 慢性 ・ 持続性の痒みを訴える患者16名を対象に, キュウリローションの止痒効果と, その根拠の一つとして保湿作用による皮膚乾燥の改善があるのではないかと考え, 保湿作用の検証を行った. 痒みについてはローション使用前と比較し, 使用後は88%の対象者に痒みの軽減効果があった. 皮膚水分率についてはローション使用前平均値35.1%と乾燥状態を認めたが, 使用後は1分後55.9%, 30分後45.6%, 60分後43.6%と皮膚水分率が上昇し, 有意差も認めた. キュウリエキスはキュウカンバーエキスともいわれ, 保湿 ・ 収れん作用があり, そう痒感患者の皮膚乾燥の改善につながったものと考える.
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© 2007 日本看護技術学会
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