日本看護技術学会誌
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短報
臨床における手浴の実態調査
宮下 輝美矢野 理香
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キーワード: 手浴, 看護技術, 実態調査
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2008 年 7 巻 2 号 p. 30-36

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抄録
 本研究は, 臨床での手浴の実施状況を明らかにするため, A総合病院の経験年数2年目以上の看護師248名に質問紙調査を実施し, 229名より回答を得た (回収率92.3%). その結果, 以下のことが明らかとなった. ①手浴の必要性の認識は高かったが, 実施頻度は低かった. また, 必要性の認識では, 経験年数による差はなかったが, 実施頻度は, 経験年数が長いほうが高かった. ②手浴は, 入浴ができず, 清潔動作が自立していない患者に実施していた. 目的は, 『手の清潔』 『温熱効果』 『爽快感が得られる』 『リラックス効果』で実施する割合が高かった. 体位は, ファーラー位,仰臥位, 坐位, 側臥位の順に実施することが多く, 所要時間は 10~15分, 湯温は 38~41℃未満で, 手浴を実施している割合が高かった. また, 『手の清潔』 『温かさ』に関連する項目で, 手浴の効果を認識している対象者が多かった.
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© 2008 日本看護技術学会
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