構造学習法は, 認知心理学の理論に基づき, 学生が講義や演習で体験して得た情報を構造化させることにより, 論理的思考を育成させる学習法である. 構造学習法の第1段階は, 教師による授業内容の構造化, 第2段階は, 授業設計, そして, 第3段階では, 学習のまとめとして, 学生自身による学習内容の構造化 (コンセプトマップの作成) を行う. われわれは, 基礎看護技術の 「筋肉内注射」 の授業を, 構造学習法の第1段階から第3段階まで実施した. 本研究では, 第3段階に焦点をあて, 学生が作成したコンセプトマップの内容, および学生の感想を分析した. 学生は, コンセプトマップを作成することにより, 自己の学習内容を確認でき, 必要な知識を相互に関連づけ, さらに知識と技術の関連について理解していた. また, 看護技術の基本的または骨格となる目標や重要な概念を整理し, 確認できた. 今後は, 学生が既習の関連科目内容を想起して学習し, 看護技術の授業で教授される内容と関連づけて学べるよう, 事前学習内容を効果的に提示することや, 授業のすすめ方を工夫するなど, 第2段階を充実させることが課題である.
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