日本看護技術学会誌
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実践報告
経皮的ラジオ波焼灼術施行中の右上肢挙上補助具の開発と苦痛緩和効果
浜口 良子小泉 真理水谷 真実子作本 麻梨子兼間 希実代千代 恵子
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2009 年 8 巻 2 号 p. 97-102

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抄録
 肝細胞がんの一つである経皮的ラジオ波焼灼術 (以下, RFA) を受ける患者は, 治療による苦痛だけでなく, 施行に必要な右上肢を拳上した体位を保持しなければならない. 本研究では術中の拳上した右上肢の苦痛が軽減できるように, 右上肢拳上補助具を考案 ・ 作製した. 治療後に術中の苦痛部位や右上肢の苦痛内容, 補助具の感想, RFA 経験者には前回と比較した苦痛の変化などを自記式質問用紙にて回収し, 得られた結果を検討した.
 その結果, 肩が一番苦痛と答えた 6 名のうち, 補助具を使用し, 苦痛が軽減したと答えたのは 4名であった. RFA 経験者も, 今回補助具を使用し, 5 名中 3 名が肩の苦痛が楽だったと答えた. また, 補助具について使い心地が悪いと答えた者はおらず, 補助具を使用することで苦痛を増強させることはなく, 右上肢の苦痛の軽減につながると期待できる結果が得られた.
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© 2009 日本看護技術学会
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