抄録
フィジカルアセスメント技術を用いて有料老人ホーム入居者の全身を意図的に観察した.得られた身体情報は①円背 ・ 関節可動域の制限など加齢的な変化に由来するもの,②耳垢塞栓 ・ 舌苔など生活習慣に由来するもの,③何らかの疾患を疑う所見で受診 ・ 治療の必要なものが抽出された.さらに何らかの疾患を疑う所見の中には高齢者の自覚を伴わないものもあり,施設の看護師と情報を共有し,その後の経過観察と,対象者には生活習慣の改善 ・ 治療 ・ 受診に対する指導を行い,健康管理 ・ 予防教育の機会となった.さらにフィジカルアセスメントでの心理的反応では,抽出された情報を共有しながら対象者と現在の生活において継続するとよいこと,改善すべき点をともに振り返ることで,「健康に自信がある」「前向きに取り組む気持ち」が有意に高くなり,高齢者に対するフィジカルアセスメントの有用性が示唆された.