抄録
ビデオ教材による学習には,好きな時間に知りたい内容だけを学習できたり,気になる部分を繰り返し学習できたり,経済的な負担もさほど大きくないという利点がある.この利点は在宅介護を行っている介護者には,とても価値あるものである.本研究では,ビデオ教材の視聴効果を体位変換実施時の筋活動と Rate of Perceived Exertion (以下 RPEとする) により定量的に評価することを目的とし,体位変換時の筋活動と実施後の主観的負担感の違いについて調査した.
ビデオ教材による学習後,介入群の 13名 (92.9%) が広背筋の筋活動が,11名が上腕二頭筋の筋活動が 1回目の測定に比べて約半分となり,その減少には有意差を認めた (p<0.01,p<0.05).また,9名 (60.0%) が脊柱起立筋の筋活動が約 1割増加した.体位変換実施後の RPEも有意に減少した (p<0.001).さらに,2回目の介入群の上腕二頭筋の筋活動と RPEは対照群に比べて有意に低かった (p<0.01,p<0.001).
これらは,体位変換技術未習得者に特徴的な臥床者を腕の引きつけ動作のみで側臥位にしようとする方法は改善され,全身の筋肉を協関させて臥床者を側臥位にすることができたことを裏づけた.