背部清拭において,乾拭を実施した場合 (以下,乾拭時) と乾拭を実施しなかった場合 (以下,非乾拭時) との生理的反応,主観的反応,実施時間の相違を比較し,乾拭を実施することの意義を検討する.対象は,本研究の同意が得られたA大学の健康な女子学生8名とした.
条件を一定にした被験者に,乾拭を実施する背部清拭と乾拭を実施しない背部清拭を行った.生理的反応は,乾拭時が末梢まで温まり,皮膚湿度は低く経過した.主観的反応は,乾拭時が快適感を与えることができた.乾拭時の所要時間は,わずか18秒程度であったことより,乾拭を実施する意義があることが示唆された.