NEUROINFECTION
Online ISSN : 2435-2225
Print ISSN : 1348-2718
シンポジウム3
感染症と脳血管障害:感染性心内膜炎と 新型コロナウイルス感染症
豊田 一則
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2022 年 27 巻 1 号 p. 75-

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抄録

【要旨】近年の衛生環境の変化に伴い、梅毒や結核などの脳動脈への直接感染は減った。現在での直接感染による脳卒中の代表例は感染性心内膜炎で、患者の 10〜35%に脳合併症を認める。一方で脳動脈に対する感染の間接作用として、末梢血単核球からの炎症性サイトカインの増加をはじめとする諸反応が粥状硬化を促進し脳梗塞を起こし得る。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、発生初期の報告では脳卒中を増やしたが、その後の各地からの報告では脳卒中患者が減ったとの報告が目立ち、これには受診控えなどの社会的側面が影響するとみられる。

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© 2022 日本神経感染症学会
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