2022 年 27 巻 1 号 p. 80-
【要旨】パーキンソン病では、Braak らによる Lewy 小体病理が迷走神経背側核から青斑核、黒質に次第に進展するという prion-like の進展仮説から、α-synuclein の上行性伝播が病態にかかわるのではないかと考えられるようになった。prion-like の進展仮説や血行性免疫障害説に腸内細菌が関与する可能性が考えられている。しかし、すでにパーキンソン病の腸内細菌の報告は 15 報以上になるにもかかわらず結果が一致しない。本稿では、腸内細菌がパーキンソン病を発症させる原因と考えるエビデンスや腸内細菌の既報告をレビューする。