NEUROINFECTION
Online ISSN : 2435-2225
Print ISSN : 1348-2718
シンポジウム9「性感染症と神経感染症」
HTLV-1の病態と感染予防
山野 嘉久
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2025 年 30 巻 1 号 p. 148-153

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抄録

ヒトT細胞白血病ウイルス(human T-cell leukemia virus type 1:HTLV-1)の感染者は日本に多く、先進国のなかでは唯一の高侵淫地域である。HTLV-1に感染した大多数は無症候で経過するが、約5%が成人T細胞白血病・リンパ腫(adult T-cell leukemia-lymphoma:ATL)を、約0.3%がHTLV-1関連脊髄症(HTLV-1-associated myelopathy:HAM)を発症する。これらはいずれも重篤な疾患であり、現在のところ確立された根治療法は存在せず、感染予防がきわめて重要である。本稿では、HTLV-1の感染メカニズムと病態、特にHAMの発症機序に関する最近の知見を概説するとともに、母子感染、性行為感染、臓器移植による感染といった主要な感染経路に対する予防策の現状と課題を包括的に論じる。また、希少疾患であるHAMの診療と研究を支える全国レジストリの役割と、その成果についても紹介する。

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© 2025 日本神経感染症学会
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