2025 年 30 巻 1 号 p. 42-47
自己免疫介在性脳炎・脳症(autoimmune encephalitis:AE)は、自己免疫学的背景を基盤に発症する脳炎・脳症の総称である。急性もしくは亜急性に、意識レベルの変容、精神症状、認知機能障害、けいれん発作、運動異常、中枢性低換気など、多彩な臨床症状を呈する。近年、NMDAR抗体、LGI1抗体などの新たな神経抗体が続々と発見され、AE診療にパラダイム・シフトが起こっている。本稿では、頻度の高い二大疾患 ①NMDA受容体抗体脳炎、②LGI1抗体脳炎を中心に据えながら、研究のアップデートを紹介し、世界とわが国においてAEの標準的な診療体制の構築・確立に向けた未来への道すじを示す。