プリオン病は、異常プリオンタンパク質が正常タンパク質の構造を変換し、神経系に不可逆的な変性を引き起こすきわめてまれな神経変性疾患群である。最新研究により、タンパク質の誤折りたたみによる細胞内ストレスや神経細胞のアポトーシス機序が解明されつつある。しかし根本的な治療法は確立されていないものの、分子生物学的知見に基づく新規治療アプローチが探索されている。診断においては、血清および髄液中の新規バイオマーカー、画像診断技術、遺伝子解析手法の革新的な発展により、従来よりも早期かつ正確な診断が可能となりつつある。2021年に提唱された新たな診断基準は、これらの最新技術を統合的に活用することを推奨している。