日本脳神経外科認知症学会誌
Online ISSN : 2436-0937
脳ドックと認知症予防・早期発見
井川 房夫
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2026 年 6 巻 1 号 p. 1-9

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抄録

脳ドックは、日本において独自に発展してきた脳の健康診断システムであり、人間ドックと並んで広く普及している。近年の高齢化社会や認知症予防への関心を背景に、一般社団法人日本脳ドック学会は2018年から「脳卒中と認知症予防のための医学会」という副題を掲げ、2024年には施設認定制度を導入した。脳ドックで得られるMRI画像では、脳小血管病変が検出され、認知症発症の重要なリスク因子とされている。脳ドックでこれらの病変を評価することは、認知症予防の観点からも意義深い。一方、ITの向上や通信技術、ビッグデータ解析の進歩に伴い、人工知能(AI)を応用した画像解析技術が医療分野に急速に導入されつつある。脳ドックは自由診療であるため、AI技術を柔軟に導入できるという利点がある。実際、白質病変の重症度や脳萎縮の程度を自動で判定する認知症早期診断支援AIが開発されており、軽度認知障害(MCI)の段階であれば、適切な介入による改善も期待できる。さらに、認知症予防には生活習慣の改善が有効であることが多くの研究で示されている。

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© 日本脳神経外科認知症学会
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