2026 年 6 巻 1 号 p. 10-26
「目的」 高齢認知症者は認知機能の低下のみでなく、生活習慣病や骨関節筋疾患など複数の領域にまたがる疾患を併存することが多く包括的な視点での診療が必要である。脳神経外科医と日々の臨床現場で密接に交流のある理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)のリハビリテーション専門3職種と協働して心身を統合した認知症診療を行ってきたので報告する。
「対象と方法」 かかりつけ医から紹介された認知症疑いの外来受診者を医師が診察の後PTが身体運動機能を、OTが日常生活上の問題点を把握したのち神経心理検査を実施する。STは言語および聴覚と口腔摂食嚥下機能を評価し、神経画像検査の結果を含めて総合的に診断を行った。
「結果」 受診者662名の年齢中央値は77歳で女性が60%であった。アルツハイマー型認知症(AD)が44%、軽度認知障害(MCI)が34%で、握力や下肢筋力、歩行時間と神経心理スコアの間に相関がみられた。
「結論」 リハビリテーション専門職と協働して高齢者の認知症診療を行うことは認知症予防、進行抑制の観点からも重要と考えられた。