NEUROSURGICAL EMERGENCY
Online ISSN : 2434-0561
Print ISSN : 1342-6214
当院から他院へ転医搬送された患者の検討
本田 優前田 肇
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2019 年 24 巻 2 号 p. 165-170

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抄録

 当院で初期診療後,諸事情により転送した患者を後方視的に検討した.2017年1月から2018年9月の間に転送した患者は34名,男性20名,女性14名,平均年齢73.5歳.脳梗塞15例中13例が血栓回収目的で転送された.脳出血8例のうち4例は当科が手術中で対応できず,1例はCT(Computed Tomography)の故障のため転送された.頭部外傷5例中2例はCTの故障,1例は手術室が他科緊急手術のため転送となった.くも膜下出血2例・椎骨動脈解離2例・脳動静脈奇形1例は血管内治療依頼で転送となった.来院から平均1時間50分で救急外来から直接転送されていた.2018年3月から当院でも血管内治療を開始したところ,以後の転送症例はわずか5例と著減した.搬送負担の軽減を実感したが,画像診断装置数と脳神経外科医数が増加しない限り,中等症以上の外因性/内因性脳出血患者の転送は消失しない.また救急輪番システム・諸事情による他院不応需からの後日の転送も少なからず存在し続けることが予想され,医療過疎地域での課題である.

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© 2019 日本脳神経外科救急学会

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