NEUROSURGICAL EMERGENCY
Online ISSN : 2434-0561
Print ISSN : 1342-6214
当院におけるくも膜下出血の治療体制とその成績
—初療における超急性期全身麻酔下の脳血管撮影とその後の治療手技の選択状況—
穂刈 正昭内田 和希新保 大輔月花 正幸浅岡 克行板本 孝治
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2020 年 25 巻 2 号 p. 275-281

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抄録

 本邦の破裂脳動脈瘤に対する治療手技選択割合は開頭術60‒70%,血管内治療30‒40%程度であるが,各施設で配分は大きく異なる.当院ではmassiveな頭蓋内血腫がない場合は速やかに全身麻酔下に脳血管撮影(DSA)を行い,安全性と根治性を総合的に考慮し治療手技を選択している.当院の初療体制と治療手技選択状況,成績を検証した.対象は脳動脈瘤破裂に対し根治的治療を行った107例.69例(64.5%)が開頭術,38例(35.5%)が血管内治療で治療された.重症例が多い割に(WFNS4‒5 55.1%)予後良好例(mRS 0‒2)は60.7%で成績は良好であった.当院搬入後から治療開始までの再破裂は4例(3.7%)でDSA待機中やDSA中の再破裂はなかった.現行の治療体制は適切と思われた.

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© 2020 日本脳神経外科救急学会

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