NEUROSURGICAL EMERGENCY
Online ISSN : 2434-0561
Print ISSN : 1342-6214
心停止にて発症した線維筋性形成異常症に伴う頭蓋内外に病変を認める椎骨動脈解離によるクモ膜下出血の1手術例
田中 達也緒方 敦之劉 軒正島 弘隆岩下 英紀桃﨑 宣明後藤 公文松永 和雄吉田 昌人阿部 竜也
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2020 年 25 巻 2 号 p. 323-328

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抄録

 44歳女性.突然意識消失し,救急車を要請した.救急隊接触時,JCS Ⅲ‒300,橈骨動脈触知不能,モニター心電図にて心室細動を認めた.心肺蘇生が行われ,心拍再開し,当院へ救急搬送された.クモ膜下出血と左椎骨動脈は鎖骨下動脈分岐後よりtapering,string of beads sign,壁不整を認め,頭蓋内椎骨動脈は後下小脳動脈の近位側・遠位側にtaperingを認めた.FMDに伴うPICA分岐部を含む椎骨動脈解離によるクモ膜下出血と診断し,血管内治療による左椎骨動脈母血管閉塞を行った.mRS 2で自宅退院し,発症より21か月経過し,頭頚部MRAにて新たな血管病変は認めなかった.FMDに伴う椎骨動脈解離はアクセスルートに病変を認めることも在り注意を要するが,非FMDと同様に母血管閉塞が有効と考える.

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© 2020 日本脳神経外科救急学会

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